雑記 政治 7/27

YouTubeで、「平成デモクラシーのおわりのあとに 河野有理×山口二郎平成デモクラシーのおわりのあとに 河野有理×山口二郎【2022 春の立憲デモクラシー講座】220722 - YouTube

を鑑賞。所感を述べる。

 

政治制度改革を端緒とする、55年体制から政権交代可能な選挙制度、そして内閣の力を強化する行政改革の二つが車の両輪として、今までの政治の有り方から違うデモクラシーを追求しようとしたのが、「平成デモクラシー」である。このコンセプトを両名とも支持している。

両輪の一つの選挙制度小選挙区制になり、政権交代も起こったが、その後の「悪夢の民主党政権」と揶揄されることになり、それ以降は、自民党一強という形で、55年体制の焼直しのようなことになった。一方で、行政改革の方は、特に第二次安倍政権下で、内閣の権限強化という形で、実現化していく(理想が実現化したかどうかというより、今までとは変わったという意味で実現化した)。

したがって、河野氏が、安倍政権にある種、行政改革における「平成デモクラシー」の路線の実現を見ている。しかし、それは政権交代の可能性がほとんどない状態での「平成デモクラシー」であることで、さまざまな「安倍独裁」に代表されるような悪いイメージが生まれてくる。

最近は選挙後の世論調査で、自民党が勝ちすぎている野党がもっと勝つべきだったと回答する人が多いというデータが示される。自民党に投票しておきながら、選挙結果を見て、自民党が勝ちすぎていると言う。これは一見矛盾しているように見える。しかし、自分はそうは思わない。ここには有権者の賢さが表されているように思う。「平成デモクラシー」における選挙制度の改革が、野党の弱さにより、十分に機能していないことを知っている。しかし、選挙制度改革が望んだような二大政党制の登場という構造を有権者は望んでいる。それはあくまでも抽象的な話であって、具体的に今の野党に政権を託そうとはしない(民主党政権でのトラウマがあるからだ)。しかし、それでよしとはしないので、自民党に対するけん制として、野党がもっと勝つべきだったと回答するに繋がっている。 

つまり理想としての二大政党制への支持と、現実としての自民党支持。そして現実にとどまらず理想に引っ張っていく(又は自民党一強によるおごりによって、現実を悪化させることを防ぐ)ことを有権者はしているのだ。それは「平成デモクラシー」の両輪が回る状態にもっていくことに繋がっていく。

そのためには、野党の強さ、信頼感、国民の民意をとらまえる能力が必要になっていく。そのために河野氏は、憲法問題を最大に争点にしていることへの疑問と、ナショナリズムを忌避することへの疑問を呈している。もっと大衆政党になるための野党の現実的な方針が必要であろう。